スポンサーリンク

LEVI’S 517物語 〜カウボーイとジーンズ〜

LEVI’S  517物語

〜カウボーイとジーンズ〜

 

こんにちは。

前回の記事『LEVI’S  701物語』で久しぶりに、〝一生モノのジーンズ〟をやりました。

僕はジーンズが好きなので、やっぱり一回書くと、すぐまた書きたくなります(笑)

と言うことで、今回も〝一生モノのジーンズ〟です。

 

今日は「カウボーイとジーンズ」について、少しお話ししていきたいと思っています。

興味のある人はぜひ、最後までお付き合いくださいね。

スポンサーリンク

【1】ウェスタン・スタイルとは?

さて、皆さんが「カウボーイの服装といえば?」と聞かれて連想するものは何でしょう?

僕は、「テンガロン・ハット」「ウエスタン・ブーツ」そして「ジーンズ」です。

 

では、なぜカウボーイ達はジーンズを穿くのでしょうか?

カウボーイがブルー・ジーンズを穿くようになったのは、意外にも最近の話で、1920年代に入ってからです。

 

それ以前は、主に冬の寒い時期は「レザー・パンツ」や「ウール・パンツ」を穿いていました。

「リンジー・ウールジー」という綿とウールの交織地もよく使われていました。

 

一方で夏の暑い時期はというと、「ナンキーン」と呼ばれる黄褐色のコットン地のズボンがよく穿かれていたようです。

 

「ナンキーン」は当初、中国の南京で織られていた生地だったためその名で呼ばれ、その後イギリス経由でアメリカに輸入された生地です。

破れやすかった為、尻には革の当てが貼ってありました。

 

このように、永年〝ウェスタン・スタイル〟というのは、

こういった素材のパンツにシャツ、その上にレザーのベストを重ね、テンガロン・ハットにウェスタン・ブーツというものでした。

 

【ウェスタン・スタイルのカウボーイ】

【2】カウボーイとブルー・ジーンズ

では、なぜカウボーイ達はその後ジーンズを履くようになったのか?

 

その理由として考えられることは3つ…

 

①とにかく丈夫だった

当時カウボーイ達が最も求めていた要素がこれでした。

リーバイス は、1877年頃から自社の生地を「XX(ダブル・エクストラヘビー)」と呼び、同じ年に「トゥー・ホースマーク」を使用して、〝自社の生地が世界でもトップクラスの丈夫さを誇る〟という事を広くアピールしていました。

 

【トゥー・ホースマーク】

二頭の馬によって、左右から裂こうとしても裂くことができない様子を表現した図柄。

 

この噂を聞きつけ、多くのカウボーイ達も「そこまで言うなら」と言って試してみたのではないでしょうか。

そして、その驚くべき頑丈さに感動したのでしょう。

そして「これは使えるっ」と言うことになり、一気に広まっていったと考えて差し支えないと思います。

 

②扱いやすかった(洗濯が簡単)

これも重要な要素です。

ウールやレザーでは素材の特性上、そう度々洗うわけにはいかなかったでしょう。

現代の私たちでも同じですよね。

 

レザー製品を丸洗いすることはまず無いし、ウール素材はクリーニングに出しますもんね。

でも皆さん、ジーンズだったら何のためらいもなく、洗濯機に放り込むでしょう。

当時のカウボーイ達にとっても、この「洗濯が楽」という要素は、相当ありがたかったのです。

 

なんなら、長距離を馬で移動してる途中、水浴びをするついでに川で洗うことだってできました。

「これは使えるっ」と思ったことでしょう。

 

③抜群のフィット性

そして最後に、「抜群のフィット性」です。

これを忘れてはなりません。

 

なぜカウボーイ達が、それほどまでにフィット性にこだわるのか。

「タイトな方が、格好良いじゃん!」といった、現代の若者のような、脳天気な考えではありません。

 

一日中馬に跨がるカウボーイ達の深刻な悩みは、「股擦れ」でした。

鞍と尻の間にズボンのシワやたるみができ、そこが擦れて血マメやミミズ腫れができて激痛が走るのです。

それを救ったのが、ジーンズが持つ、唯一無二の特質でした。

 

〝シュリンク・トゥ・フィット(Shrink to Fit)〟

〝自分の身体に合わせて、縮める〟という考えです。

 

もっと詳しくいうと、

「ジーンズは洗うと、それが乾く段階でかなり縮む…と言うことは、仮に水を通したジーンズを穿いたまま乾かせば、自分の身体に沿って縮み、まるで誂えたかのような、自分だけのフィットしたシルエットが得られるじゃないか…これは凄いっ」と言うことです。

 

実際、やってみるとそうなったのですから、その時はさながら魔法のように感じたことでしょう。

 

こうして新品のリーバイスを買ったカウボーイ達は、こぞって、暑い日を選んで川に入ったり、バスタブに浸かったりしました。

 

【シュリンク・トゥ・フィット】

※ちなみに、現在私たちが履いているジーンズの多くは、〝プレ・シュランク〟と言い、生地の段階で「サンフォライズ加工(防縮加工)」されている為ほとんど縮みません。

 

 

こうして歴史を遡って考えてみると、

ジーンズがカウボーイ達にとって〝必要不可欠〟なアイテムになっていったのは、ジーンズの持つ特質が、ことごとくカウボーイ達の要望にマッチしたからなんですね。

【3】LEVI’S  517 〜リーバイス・サドルマン・ブーツ・ジーンズ〜

ここで、僕の〝一生モノのジーンズ〟の中から、カウボーイに所縁のあるジーンズを一本紹介します。

1971年に、リーバイスがカウボーイに向けて発売したモデルです。

 

【LEVI’S  517 〜リーバイス・サドルマン・ブーツ・ジーンズ〜】

【写真は、全て拡大できます】

※年代は内側のケア・ラベルから判断して、1975年に製造されたものです。ヴィンテージ・ファンの間で言われるところの〝66前期〟の頃ですね。

今回は、ヴィンテージジーンズを語る記事ではないので、細かいディテールについては割愛します。年代判別方やジッパーの話をし出すと、楽しくて止まらなくなるので…(笑)

 

「LEVI’S  517」通称〝サドルマン〟と呼ばれ愛されたこのジーンズ…

実は世界初の〝ブーツカット・ジーンズ〟です。

当時リーバイスが、この商品に付けていたフラッシャーには、〝サドルマン・ブーツ・ジーンズ〟と刷られていました。

 

まさにその名の通り、カウボーイ達やウェスタン・ルック愛好者たちが、ウエスタン・ブーツに合わせて穿く為に開発された〝傑作〟なのです。
【参考文献】

コメント

スポンサーリンク

一生モノストア

ヴィンテージのネクタイやカフス、カバンなど、管理人タニヤンがセレクトした「一生モノ」にふさわしい逸品を販売しています。