〝麻〟を知る【前編】
〜人類に最も愛された素材〜
こんにちは。
もうすっかり夏本番になりましたね。
今年も暑い夏になりそうです。
さて、以前の記事インド伝統の綿織物『インディア・マドラス物語』の中で、ぼくが夏に毎年決まって着る素材は、
「インディア・マドラス・コットン」と「コットン・シアサッカー」と「アイリッシュ・リネン」だと書きました。
ということで、今回はその中の、「麻について」です。
「麻とはどういう素材か?」
「人類はその歴史の中で、どのように麻と付き合ってきたのか?」
「麻はなぜ、夏に着る素材として最適なのか?」
など、僕達の身近な存在でありながら、意外と知られていない〝麻の奥深い世界〟を皆さんと一緒に覗いていこうと思います。
長くなるので、途中で僕の〝一生モノのリネン・シャツ〟の紹介も入れつつ、【前編】【後編】の2回に分けて書きますので、
興味があればぜひ、最後までお付き合いください。
【1】麻とは何か?
麻とひとことで言っても、その種類は実に20種類以上もあります。
麻は大きく分けて〝靭皮繊維系〟と〝葉脈繊維系〟の2つに大別されます。
今僕達が衣料や寝具としてよく知っている麻は、〝靭皮繊維系〟の麻です。
靭皮繊維とは、種子植物の茎の形成層から外側に向かって作られる繊維組織のことで、葉脈繊維に比べ、柔らかく・しなやかで、なおかつ強靭な繊維質であることが特徴です。
その靭皮繊維系の麻の代表品種が、
①リネン【Linen】(亜麻)
②ラミー【Ramie】(苧麻)
③ジュート【Jute】(黄麻)
④ヘンプ 【Hemp】(大麻)です。
皆さんも聞いたことがある名前ばかりだと思います。
この他にも、「マニラ麻【Abaca】」や「サイザル麻【Sisal】」などの葉脈繊維系の麻があります。
この中でも、衣料品や寝具などに使用されるのが、
①のリネン【亜麻】と②のラミー【苧麻】です。
衣料品の分野で言うと、高級なシャツやジャケットに使用されることが多いのは、
「アイリッシュ・リネン」や「フレンチ・リネン」といった世界的にも有名なリネン【亜麻】です。
つまり、最も洋服に適した麻の品種は、リネン【亜麻】ということになります。
【2】〝一生モノのリネン・シャツ〟
切りが良いので、ここまでを【前編】とします。
休憩がてら、僕の〝一生モノのリネン・シャツ〟をご紹介しますね(笑)
【Brooks Brothersのアイリッシュ・リネン・シャツ】
僕が真夏に愛用しているシャツは、「Brooks Brothers」のアイリッシュ・リネン・シャツです。
僕は素肌に直接シャツを着るので、
「アイリッシュ・リネン」の〝ふんわりした柔らかさ〟と、肌に触れた時にダイレクトに伝わってくる〝ひんやりとした触感〟が大好きなんです。
毎年この時期になると活躍してくれる、僕の〝一生モノ〟のシャツです。
…と、言うことで、
この前編の中では、「麻とは何か?」を詳しくご紹介してきました。
後編ではいよいよ、
「人類は麻とどのように付き合ってきたのか?」
「麻はなぜ、夏に着るのに最適なのか?」
といった核心部分に迫ります。
麻の中でも、リネン【亜麻】に焦点を絞り、その歴史を紐解きながら見ていきたいと思います。
そこには、人類がリネン(亜麻)と共に歩んだ、切っても切れない「共生の歴史」が存在します。
どうぞ、皆さんお楽しみに。
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