〝服を大切に着る〟ということ
〜ハンガーの役割〜
こんにちは。
突然ですが…
皆さんにとって「ハンガー」とはどういう存在ですか?
日常「ハンガー」について考えることなど、そうそうないと思います。
せっかくなので、今回はその「ハンガー」について、一緒に考えてみたいと思います。
興味のある方はぜひ、最後までお付き合い下さい。
【1】ハンガーは〝自分の分身〟
いきなり、結論から申し上げます。
「ハンガー」は、〝自分の分身〟です。
ですから…
「服を保管する」ということは、
自分に代わって、
「自分の分身」に、
服を〝着てもらっている〟
ということなのです。
【2】服は肩が命
〝服は、肩が命〟
多くの人が、よく聞くフレーズだと思います。
特に、しっかりと仕立てられたスーツのジャケットは、
人間の肩が入ることを最大限に考慮され、時間をかけ立体的に作られています。
自分の肩に合わせてオーダー・メイドされたものなら、なおさらです。
だから肩がフィットしたジャケットというのは、なんとも着心地がいいのです。
自分の肩が収まっている限り、そのジャケットは常に、最大限のパフォーマンスを発揮してくれます。
そう、自分の肩が収まっている限り…
なんとも心強い相棒ですね。
【3】自分の服を、自分より長い時間〝着てくれている〟のは誰?
ここで、1つ考えてみましょう。
■4月にスーツを新調して、多い時で週に3回のペースで着る。
■9月までの半年間着たら、クリーニングに出して次の年の4月まで保管。
仮にこれが一般的なモデルケースだとします。
Q.この人は、年間何日このスーツのジャケットに肩を入れているでしょうか?
【4月〜9月】
週3日 × 約4週(1ヶ月)= 約12日 /月間
約12日 /月間 × 6(ヶ月)=約72日 /半年間
プラスα → 15日 / 半年間
(※祝日は考慮せず。この人は祝日は全て出勤しています。)
【10月〜3月】
クローゼットに保管 → 0日
A.年間合計 → 約87日
Q.では、このスーツのジャケットは、年間何日クローゼットに保管されているでしょうか?
【4月〜9月】
週4日 × 約4週(1ヶ月)= 約16日 /月間
約16日 /月間 × 6ヶ月 = 約96 日 /半年間
(※祝日は考慮せず。この人は祝日は全て出勤しています。)
【10月〜3月】
クローゼットに保管 → 約182日
A.年間合計 → 約278日
このように、クールビズでジャケットを着なくなったことを脇に置いて、ざっくり計算してみても、
少なくとも年間250日以上、このスーツのジャケットはクローゼットに保管されているのです。
Q.では、この間〝誰〟がこのジャケットを着てくれているでしょう?
そう、それが…
ハンガーなのです。
【4】ハンガーの重要性
ここまでくると、
「自分の大切なスーツは、一体どんなハンガーで保管されているんだろうか…」
と、ふと考える人も出てくるかもしれませんね。
そもそも「ハンガー」というのは、
洋服と長く付き合うためには、必要不可欠なものであるにも関わらず、
あまりにも身近な存在である事から、軽視され続けている、代表選手みたいなものです。
ですから多くの人が、薄っぺらいプラスチックハンガーでも、針金ハンガーでも大して気にならないのでしょう…
しかし、確実に言えることは、
そういったハンガーで保管していると、
首から肩にかけて立体的に仕立てられ、見るからに品の良いジャケットや、
オーダーで、あなたの肩専用に作られたジャケットは、
次のシーズンには、見るも無残に変形しています。
肩が崩れた「高級スーツ」を着ている人ほど、滑稽なものはありません。
自分の大切な服を、
代わりに〝着てもらう〟自分の分身に、
針金ハンガーや、薄っぺらいプラスチック・ハンガーを選んでしまった代償は、想像以上に大きいのです…
【5】〝自分の分身〟を選ぶ条件
では、どのようなハンガーを〝自分の分身〟として選べば良いのか。
理想は、あなたの肩の形に沿って木を削って作る、完全なオーダー・メイドです。
しかし、これはあまりに現実味がありません…
そうすると、既製品のハンガーを選ぶことになるのですが、
その際、最低限の条件は、
①人間の身体と同じように、首と肩に厚みがある。
→首と肩が入ることを想定して作られた、ジャケットの立体的な構造が崩れない。
②木製(レッド・シダーなど)のもの
→木は呼吸しているので、湿気を吸って外に吐き出してくれます。
③ジャケット(服)と同じメーカーが作っているもの
→ジャケットを製造したメーカーが作っているハンガーが、当然1番合いやすい。
特に、①と②はハンガーを選ぶ際の、絶対条件です。
【5】僕の分身
ここで、〝僕の分身〟をご紹介しましょう。
【Brooks Brothersのレッド・シダー製ハンガー】
【首の後ろ〜肩にかけて、人間の身体と同じような厚みがあります】
実際にBrooks Brothersのスーツをかけると、首と肩に吸い付くようなその「フィット感」は一目瞭然です。
これだけであなたの大切なスーツの寿命は、大きく伸びます。
そして仕事でのあなたの「凛とした立ち姿」を、いつまでも演出してくれます。
皆さんも〝自分の分身〟を手に入れて、大切な洋服と長く付き合っていってください。
最後にもう一度繰り返します。
「ハンガー」は、〝自分の分身〟です。
ですから…
「服を保管する」ということは、
自分に代わって、
「自分の分身」に
服を〝着てもらっている〟
ということなのです。
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