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フィッシャーマンの伝統服〜ガンジー・セーター〜

フィッシャーマンの伝統服

〜ガンジーセーター〜

 

こんにちは。タニヤンです。

 

突然ですが、「ガンジーセーター」ってご存知ですか?

あまり出回っていないので、普段見かけることはないと思いますが、本当にセーター好きの人だったら1枚は持っているのではないでしょうか。

 

僕はこの「ガンジーセーター」が昔から好きで、毎年冬の寒い時期には、Pコートやダッフルコートの下に着込んで出かけます。

 

ということで、

今回は「ガンジーセーター」について、詳しく触れていきたいと思います。

どうぞ最後までお付き合いください。

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【1】チャンネル諸島の島々とセーター

イギリスとフランスの間に浮かぶ「チャンネル諸島」。この地域は、セーターやスウェットシャツの歴史を語る上で絶対に欠かせない場所です。

「ガンジーセーター」とは、このチャンネル諸島の中の「ガーンジー島」で非常に古くから伝統的に編まれてきたもので、皆さんもよくご存知の、アイルランド・アラン島の「アランセーター」や、スコットランド・フェア島の「フェアアイルセーター」などに代表される全ての「フッシャーマンズセーター」の元祖に当たります。

 

そのガーンジー島の近くには、「ジャージー島」があり、この島で編まれていたものが「ジャージー(セーター)」で、現在の「ジャージ生地」の起源でもあります

 

【ガーンジー島とジャージー島】

ガーンジー島とジャージー島

ガーンジー島とジャージー島

この「ジャージー(セーター)」が、その後イギリスで、フットボールジャージやラグビージャージに進化します。そしてアメリカに渡ると、「SWEATER(セーター)」・「SWEAT(スウェット)」などに進化していくのです。

※ジャージーやガーンジーという漁師のための編み物が誕生した当時には、まだ「セーター」という言葉は生まれていないので、当時のものを指す場合には、(セーター)という表記にしています。

このあたりについては、以前の記事『スウェットシャツの来た道』の中で詳しく書きました。

【2】ガーンジー(guernsey)の誕生

一説によると、「ガーンジー(セーター)」は数百年前から存在していたと言われています。

ガーンジー(セーター)は元々、極寒の海上で働くフィッシャーマン(漁師)の作業着です。

漁師ほど天候に左右される職業はなく、彼らが海上生活の過酷さや厳しい寒さから身を守る為に、「暖かく嵩張らない衣類」を必要とした事が誕生のきっかけです。

 

同じ頃、ジャージー島でフィッシャーマンの為に編まれていた、少し薄手の衣類が「ジャージー(セーター)」と呼ばれるようになったのと同様に、ガーンジー島の四角い形状が特徴の編み物も、「ガーンジー(セーター)」と呼ばれるようになります。

 

この「ジャージー」や「ガーンジー」というのは、愛称みたいなもので、当時は細かく区別されていたものではないようです。

 

とにもかくにも、このようにして、現在の「フッシャーマンズセーター」を含む全ての「セーター」に通じる原型がここに誕生したのです。

【3】僕が愛用している「ガンジーセーター」

ここで、僕が愛用している「ガンジーセーター」を紹介します。

 

【ガーンジー・ウーレン・ミルズのガンジーセーター】

ガーンジー・ウーレン・ミルズのガンジーセーター

【MADE IN GUERNSEY】

MADE IN GUERNSEY

【4】ガーンジー(guernsey)〜完璧な機能性〜

元々フィッシャーマンの作業着であった「ガーンジー」は、その仕様の全てが実用性と結びついています。

以下に詳しく説明します。

1.襟ぐりがなく、表裏どちらでも着ることが出来る仕様

あくまで作業着である為、汚れたらひっくり返して着ることが出来るように、前後同じパターンで編まれています。

【表】

【裏】

2.通称「シーメンズ・アイアン(船乗りの鎖)」と呼ばれる頑丈な毛糸。

「ガーンジー」には、キツく紡がれた5つ撚り(より)の丈夫な梳毛糸が使われ、その堅牢さから通称「シーメンズ・アイアン」と呼ばれています。

3.鋼鉄の針を5本使い、隙間が開かないよう「キツく」「硬く」「継ぎ目なく」編まれる製法。

 継ぎ目のない作りと、隙間のないキツイ編み方が相まって、防水・防風面において抜群の機能性を誇ります。

4.身体に吸い付くような、「タイト・シルエット」

これも防水・防風の観点から考えられた工夫です。

5.動きやすさを考えた工夫「ダイヤモンドガゼット」

丈夫な糸でキツく、硬く編まれ、さらに身体に吸い付くような形にも関わらず、動きにくさを感じないのは、脇下に施された「ダイヤモンドガゼット」に秘密があります。

 

【脇下のダイヤモンドガゼット】

これによって、腕周りの可動域が広めに確保されているのです。

 

このように、「ガーンジー」とは、その昔、自分たちの家族でもある「フィッシャーマン達」が荒れ狂う海の上で、少しでもが安全に快適に作業出来るよう、実に細かいところにまで知恵を絞って編まれている美しい服なのです。

言うまでもなく、その美しさの種類は「装飾美」ではなく、「機能美」です。

【5】各家系に伝わる「編み模様」

伝統的な「ガーンジー(セーター)」のボディには、網やロープ、椅子、ニシンの骨といった、海に関係する独特の編み模様が表現されています。

 

【伝統的なガーンジーの編み模様の一例】

伝統的なガーンジーの編み模様の一例

これは、各家系に代々伝わる編み模様で、主に母親から娘に伝えられました。

当時は、各家庭の妻や娘が、漁に出て行く夫や息子の無事を祈って「ガーンジー」を 編んだと言われてます。

そして、激しい労働で破れたりほつれたりした箇所は、彼女達が丁寧に修理を施しました。

その際、その家系に伝わる「網模様」を編み込んでおけば、万一遭難し、水死体で発見され、その時顔が腐敗していて識別出来なくても、身につけている「ガーンジー」の模様や修理跡で身元が判別できるという、哀しい意味合いも含まれています。

 

しかし一方で、海に出て行くフィッシャーマン達は、妻や娘が編んでくれた「ガーンジー」を着ることを誇りに思っていました。

その証拠に、男達は陸でも関係なく「ガーンジー」を身につけていたし、何よりも結婚式や協会で着る〝ハレ着〟用にと、〝サンデーベスト〟なる一張羅の「ガーンジー」を用意していたとも言われているのです。

もちろん、そのボディには、各家系伝統の〝編み模様〟が堂々と編み込まれていたことでしょう。

 

【誇らしげにガーンジーを身につける男達】

誇らしげにガーンジーを身につける男達

 

「ガーンジー(セーター)」。それは、フィッシャーマンにとってのユニフォームでもあり、〝ハレの日〟に着る礼服でもあったのです。

【参考文献】

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