「靴は生きた素材であることを忘れてはならない。」
〜レオナルド・フェラガモ〜
突然ですが、「靴は呼吸している」と僕は真剣に考えています。
正確には〝革〟が、ですね…。
「知り合いに良い精神科の先生がいるから、よかったら紹介するよ…」
って心配してくれている心優しいそこのアナタ!
「安心してください!いたって真面目ですよ!」
生き物の〝皮〟が〝革〟になって、その〝革〟が〝変化〟することで〝靴〟 となります…その事を決して忘れてはいけません。
さて、〝一生モノの靴〟シリーズ第2弾はこちらの一足です。
【Brooks Brothers(ALDEN社製)ドレスシューズ】
この靴の特徴はたくさんありますが、代表的なものは次の3つです。
- ALDEN社製のBrooks Brothersの靴である
- コードバン素材である
- 外鳩目である
ひとつずつ説明すべきところですが、
先に前回できなかった「コードバン」という素材の話からいきましょう。
「コードバン」は、農耕馬の臀部(お尻部分)の革のことです。
一頭の農耕馬から、本当にわずかしか採れない、希少性が極めて高い革です。(〝コードバン層またはシェル層〟と呼ばれる、コラーゲンが縦に高密度に並んだ中間層を丁寧に削りとります。)
このコードバンという革は、まさしく〝一生モノ〟の革です。
これだけはほとんど唯一無二ではないでしょうか。代用できる革が今の所見当たりません。
僕がコードバンをここまで絶賛する理由は2つ。
1つ目は、宝石のような〝底光り〟なんです。
言葉で言ってもイメージしにくいと思うので、画像でお見せますね。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、とにかく覗き込むと顔が映るくらい光っています。
これは、新品の状態の時には見ることが出来ません。
手入れをしながらある程度の期間を共に過ごすと薄っすら現れます。
僕は最低でも、履き始めてから3年後と見ています。
コードバンは通称「革のダイヤモンド(宝石)」と呼ばれているのですが、
それは磨くことで出てくるこの〝底光り〟のことを指しての事ではないか。
というのが僕の持論なんです。
であるならば、
この素材を〝一生モノ〟として捉え、一定の月日を共に過ごした人しかその魅力を味わうことが出来ない、という事になりますね。
(一般的には、この革が持つ独特の硬質な素材感や、希少性の方がこの通称の所以として定着している感じがします。)
2つ目は、〝手がかからない〟という事です。
これに対しては、大量の反対意見が挙がるでしょうね(笑)
と言うのも、
このコードバンというのは、とにかく手間がかかる(手入れや保革が難しい)素材として有名だからです。
確かにそれは間違っていないと思います。
ただし、僕の感覚では、手間がかかるのは最初の3年間だけです。
「コードバンは3年間頑張ったら、後は勝手に光る。」
これも僕の経験則から得た持論なんです。
「3年も手入れしてられるか!」という人は、1番最初に書いてあるフェラガモさんの言葉をもう一度読み返してくださいね。
そもそも日本には、「石の上にも三年」という言葉がありますよね。
と言っても、僕は手入れに特別時間をかけたり、いくつも無駄な道具を揃えたりしてないんですよ。10分もかかってないです(笑)
その手入れ方法なんかも今後紹介していきますね。

ちなみに、昔のランドセルの素材はこのコードバンだったって知ってました?
故に今でも姫路の会社は世界有数のコードバン(に限らず)の生産地なんです。
またひとつしか説明できませんでしたな(笑)
他は次回以降に持ち越しま〜す。
コメント
カッコいい!
知識がない僕には陳腐な感想しか出ません。。^^;