今さら聞けない!〜社会人が必ず揃えておくべき4つの靴とは?〜
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今回も紳士靴についての豆知識・お役立ち情報をひとつご紹介しましょう。
今回は、「社会人が必ず揃えておくべき4つの靴」について。
これも基本的なことながら、誰も教えてくれない〝グレーな教養〟です。
【1】はじめに
まず始めに、皆さんに必ず覚えておいて欲しいことがあります。
それは、〝いついかなる時も〟男性のスタイルの良し悪しを決定付ける最重要パーツは「靴」であるということです。
ヨーロッパやアメリカと違い、日本は多くの人が玄関で最後に靴を履きます。
これ、私たちからすると至極当然の習慣なのですが、男性のスタイルを構築する上では〝致命的な欠陥〟を備えています。
具体的に言うと、部屋の全身鏡の前でスーツ姿をビシッと整えたとしても、その足下は靴下なんですよね。
そして、慌てて家を出るときに適当に済ませてしまうのが、本来、男性のスタイルの良し悪しを決定づけるはずの靴なのです。
これは、本来なら本末転倒な話です。
〝オシャレは足下から〟という言葉は皆さんご存じのはずです。
その言葉通り、自分流のスタイルを確立していて、周りの人から素敵な男性だと認知されている人は、例外なく先に靴をイメージしています。
スーツスタイルやジャケット・スタイルを引き立ててくれる〝上質でシンプルな靴を知っていて、それを何足か揃えて常に玄関に準備しています。
そして、最低限の手入れもしっかり行き届いています。
「靴を見ればその人の人間性が分かる」と言われますが、魅力的な大人の男性は「自分の靴が見られている」ことを認識しているので、それを逆手にとって武器として効果的に使っているのです。
大事なのは、社会人として揃えておくべき靴が何かを知っておくこと。
スーツやジャケット・スタイルに適した靴を知り、しっかり揃えておきましょう。
そして、最低限の手入れをして玄関にスタンバイしておくのです。
ということで、ここから、社会人として揃えておくべき4つの靴をお伝えします。
【2】社会人として揃えておくべき4つの靴
今回僕が皆さんに薦める「社会人として揃えておくべき4つの靴」は以下の4つです。
型 | 優先順位 |
---|---|
1.ストレート・チップ | 最も高い⬆⬆⬆ |
2.プレーン・トゥ | 高い⬆⬆ |
3.ウイング・チップ | やや高い⬆ |
4.ローファー | 低い⬇ |
順番に解説します。
①ストレートチップ
【Allen Edmonds Park Avenue(アレンエドモンズ パークアベニュー)】
【Brooks brothers ALDEN(ブルックスブラザーズ オールデン)】
社会に出た時に、何よりもまず優先的に確保して欲しいのが、ストレートチップのドレスシューズです。
ストレートチップとは、爪先(トゥ)の部分に真一文字のステッチが走るもので、ドレスシューズにおけるトゥの仕様の中で、最も格式が高いとされます。
ビジネスシーンはもちろんにおいても迷わず履いていけます。
友人の結婚式、さらには急な葬儀にもこれさえあれば問題なし。
いざという時に靴の心配をする必要がなくなります。
ただし、以下の3点は必ず守ってください。
1.色は黒に限る!
→「いざという時」は黒の靴しか履けません。
2.最低でも50,000円の靴を買ってください。(1着目のスーツの値段を下げてでも、こちらに投資してください!!)
→50,000円以上の靴であれば、アッパー部分のレザーも上質なものを使用している可能性が高く、まず間違いなくソールを交換しながら長年履ける製造工程でつくられているからです。
3.最低限の手入れをしてください。
②プレーントゥ
【Brooks Brothers ALDEN】
何よりも先に、まず黒のストレートチップ・シューズを確保したら、2足目として揃えておくべきは、「プレーントゥ」のシューズです。
「プレーントゥ」はその名の通り、爪先(トゥ)の部分に全く装飾がないもので、黒色であればドレスシューズにおける爪先の仕様の中で、ストレートチップの次に格式が高いとされます。
ビジネスや冠婚葬祭でも気にすることなく履いていけますよ。
人によっては、次に紹介する「」を2番目に揃えるべき靴に挙げるケースもありますが、
僕があえてこの「プレーントゥ」を2番目に挙げている理由は、長年の経験から来るもので、
ブレザーやジャケット・スタイルとの相性が非常に良く、気軽に履ける「汎用性の高さ」を評価しているからです。
クールビズの本格化で、必ずしもスーツを着なくていい場面が増えている今、「汎用性の高さ」は重要なポイントですもんね。
色は黒がベターですが、これに関しては「ダークブラウン(こげ茶)」や「バーガンディ(赤茶)」でも構いません。
実際、僕もバーガンディ・カラーを愛用しています。(上の写真)
しかし、
こちらも、最低でも50,000円を予算として考えておいてくださいね。(理由は先程と同じです)
そして、最低限の手入れを忘れずにお願いします。
③ウイングチップ
【Church’s CHETWYND】
【Allen Edmonds MACNEIL】
次に3足目として揃えるべきは、「ウイングチップ」です。
「ウイングチップ」とは、爪先(トゥ)に羽根のようなW型の穴飾り(メダリオン)があるものです。
これは、かつてハンティングなどで履かれていたスポーティな靴の仕様で、冠婚葬祭には不向きです。
ですが、ビジネスシーンにおいては十分通用します。
上の写真の1枚目のような「内羽根」式のものであれば、上品でエレガントな印象になるのでおススメです。
グレーのスーツの足元に黒のウイングチップ合わせると、最高にカッコ良いですよ。
もちろんこちらも、予算は最低50,000円。
最低限の手入れを忘れないでくださいね。
④ローファー
【Brooks brothers ALDEN】
【Brooks brothers ALDEN】
【ALDEN】
そして、最後に揃えておくべき靴は「ローファー」です。
これはレースアップ・シューズではない為、当然ながら冠婚葬祭には絶対にNGです。
冠婚葬祭はおろか、ビジネスシーンにおけるスーツスタイルであっても基本的にはNGです。
では、どういった時にこのローファーが効果を発揮するかと言うと、
「クールビズ」のシーズンです。
ブレザー・スタイルや、ノーネクタイで着こなすジャケット・スタイル、シャツにチノパンといった、軽快なスタイルで働く事が多くなる5月〜10月までのシーズンに最適です。
半年間もクールビズがあると、その期間の靴の事まで考えないといけないので、楽に働けるどころか考える事が増えて〝逆に〟大変ですね…
ちなみに、こういった軽快なスタイルの時に、①の「ストレートチップ」の靴を履くと最悪です。
目も当てられない滑稽な事態になるので、気をつけましょう。
そういった事態を防ぐためにも、「ローファー」を一足揃えておくと何かと便利ですよ。
色は黒でもいいですし、茶系でも構いません。予算も30,000円くらいに抑えてしまって大丈夫です。
個人的なおススメは、Bassの「weejuns(ウィージャン)」です。
【3】まとめ
以上が、僕が皆さんに薦めたい「社会人として揃えておくべき4つの靴」です。
ここで設定した「最低限50,000円」という予算は、決して安くはありません。
しかし、
この4足を一気に揃えろと言っているわけではないので、まずは黒のストレートチップを確保して、なるべく早くプレーントゥを揃えてください。
理由は、1足の靴を毎日履いていると靴の寿命を縮めてしまうからです。
そこから後は、ゆっくりと揃えていけば構いません。
責任ある立場になった時に、全て揃っていれば良いのですから。
大事なのは、長期的な視点に立ち、いつ来るか分からない〝その日〟を想像して、黙々と準備ができるかどうかです。
「チャンスの女神には前髪しかない」
これ、僕の好きな格言です(笑)
的確にチャンスをモノにする人は、躊躇せず真正面から「チャンスの女神の前髪」を捕まえに行くことが出来る人です。
しっかり準備ができているから、決して迷う事がありません。
一方で、
チャンスを逃す人は、必ず躊躇します。
誰かに相談して「これは安全」というお墨付きをもらってから、ようやく捕まえに行こうとします。
しかし、
「チャンスの女神」に後ろ髪はないので、 もう掴むところがないのです。
そう。
実は「自分にはチャンスが来ない」と嘆いている人に限って、チャンスが来ていないのではなく、自ら見送っているだけの人が多いのです。
傷の舐め合いのような無意味な飲み会でお金と時間を浪費するか、自分を磨くためのツールや貴重な経験にお金と時間を投資するか。
大袈裟ではなく、若いうちにどちらを選択するかで人生は大きく変わります。
選択を間違えないようにしてください。
繰り返しになりますが、最後にもう一度。
男性のスタイルの良し悪しは、全て靴で決まります。
投資するべきは、スーツではなく靴です。
スーツの価格を少し抑えてでも、靴に投資してください。
※靴に投資する重要性については、過去に以下の記事で詳しく書きましたので、興味がある方は読んでみてくださいね。

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