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大統領の靴 〜Allen Edmonds PARK AVENUE〜

【ノーマン・ロックウェル  画集より】

 

靴産業の近代化を担った国  〜アメリカ〜

 

こんにちは。

今日は、久しぶりに〝一生モノの靴〟シリーズです。これで早くも6回目ですね。

 

今回は〝アメリカの靴〟の歴史をお話ししながら、最後に僕の〝一生モノの靴〟を一足紹介します。

 

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〝靴の産業革命〟

 

1825年、機械輸出が解禁されたことで、イギリスでの産業革命がほぼ完了しました。

 

それに遅れること四半世紀、靴の産業革命はアメリカが成し遂げたと言っても過言ではありません。

 

1858年、マサチューセッツ州出身のラインマン・ブレイクが、靴底を縫う機械を発明します。

 

そしてその後、同じくマサチューセッツ州出身のゴードン・マッケイがそれを改良し、『マッケイ機』を開発します。

 

これはアッパーとインソール、さらにアウトソールを一度に縫い付けることが可能な機械でした。

現在では、『マッケイ製法』と呼ばれ、イタリア靴の代表的な製法として有名ですよね。

 

それまでは、靴作りと言うと、靴職人が手作業で作る、いわゆる『ビスポーク・シューズ』しか存在しませんでした。

 

ちなみに『ビスポーク』とは、『Be Spoken』という意味で、職人と顧客が細部までじっくりと〝話し合って〟作られるということです。

 

靴やスーツの世界で『ビスポーク・シューズ』『ビスポーク・スーツ』という形で使われます。

 

早い話が、〝全行程が職人によるハンドメイド〟ということです。

 

話を元に戻しますと、

ラスト(木型)にアッパー(甲革)を釣り込み、インソールとともにすくい縫いをした〝ウェルト〟を媒介にして、そこに砕いたコルクをつめ、シャンクを敷いて、アウトソールと出し縫いする製法は、イギリスの伝統的な製法で、『ハンドソーン・ウェルト製法』といいます。

 

『JHON LOBB(ジョン・ロブ) 』『Edward Green(エドワード・グリーン)』『CHURCH’S(チャーチ)』『TRICKERS(トリッカーズ)』などが有名ですね。

 

非常に手間と時間がかかる製法で、何百にも及ぶ、気の遠くなるような行程を全て、職人が手作業で行っていたのです。

 

この一連の工程を全て機械化してしまったのが、これまたアメリカ人のチャールズ・グットイヤーでした。

 

彼は、1879年に『グットイヤー・ウェルト機』を開発します。

 

これにより、世界中で靴産業の景色が一変しました。

 

この1859年〜1879年の一連の機械化がまさに〝靴の産業革命〟の時期だったのです。

〝大統領の靴〟

そしてこの〝靴の産業革命〟後、アメリカでは多くの名門シューメーカーが誕生します。

  • 1875年 『Bass(バス)』
  • 1880年 『REGAL(リーガル)』
  • 1882年『Johnston & Murphy(ジョンストン&マーフィー)』
  • 1884年『ALDEN(オールデン)』
  • 1922年『Allen Edmonds(アレン・エドモンズ)』

といった具合です。

 

『Bass』はコインローファーの元祖であるweejyuns(ウィージャン)という名作を生み出し、『ALDEN』はドレスシューズだけでなく、オーソペディックシューズ(整形外科靴)やミリタリーシューズの分野でも発展を遂げました。

 

そして、『Jhonston & Murphy』と『Allen Edmonds』の2社は、永年に渡りアメリカ大統領の靴を製作しました。

 

そして、その中でも今も変わらずMade in U.S.A.を堅持し、継続して大統領の靴を作り続けているのが『Allen Edmonds』です。

 

現在でも、大統領がホワイトハウスに初登頂するときは『Allen Edmonds』の靴を履くことが習わしになっているようです。

 

と、いうことで今回は『Allen Edmonds』の靴を紹介します。

 

僕が永年愛用しているフォーマル用のシューズが、実はこのAllen Edmondsの〝PARK AVENUE(パークアベニュー)〟というモデルなのです。

 

僕は誰かに「仕事用で良い靴ない?」と聞かれたら、迷わずこの靴を薦めます。

理由は、今なお、税込価格で7万円台をキープしていること

(本当につい最近まで、5万円台だったんですよ!)

そして、何と言っても履き心地の良さです。(とにかく軽い!)

【Allen Edmonds   PARK AVENUE】

 

Allen Edmondsには、5番ラストと7番ラストという代表的なラスト(木型)があり、この〝PARK AVENUE〟には5番ラストが使われています。

 

「内羽根のストレートチップ」という靴の形状としては最も格式が高く、シンプル極まりない靴ですが、特徴は以下の3つです。

  1. アメリカ靴らしい小ぶりなキャップトゥ
  2. 6アイレット(履き口の紐を通す穴が6個)
  3. 内羽根部分のトリプルステッチ

 

【1】の小ぶりのキャップトゥは、アメリカ靴の特徴です。

これによりヨーロッパの靴に比べ、アメリカ独特の、良い意味での〝野暮ったさ〟が出るのです。

 

【2】の〝6アイレット〟これは、履いた時の足首のグリップに影響します。非常に安定感があるので、歩きやすいです。

ちなみに、現行のドレスシューズのほとんどが〝5アイレット〟を採用しています。

細かい部分ですが興味のある方は今度、靴売り場に並んでいる靴を、注意して観察してみてください。

 

【3】の内羽根部分のトリプルステッチは、気持ち強度が増すくらいで、特に意味がないのですが、僕はこういうところに〝アメリカらしさ〟を感じることができて、とても好きです。

普通はこんなところにトリプルステッチなんか入れませんよね(笑)

 

〝アメリカ大統領が愛した靴〟〝アメリカ紳士の証〟などと呼ばれ、アメリカのビジネスマンから絶大な支持を得ている『Allen Edmonds』

 

僕の中でも、〝一生モノの靴〟として揺るぎないポジションを確立しています。

【参考文献】

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